情報処理技術の基本/矢沢久雄
情報処理技術の基本/矢沢久雄
タイトルのとおり、IT関係の中で初歩的な内容をまとめた本。
ITの初歩の本というと、いろいろとシリーズがあるが、その中でも初心者向けに振り切ったものといえる。
20年前くらいのPCと違って、今はユーザ側で意識するような設定がかなり減っているので、
こういう本を読むことで自分のPCがどう動いているのか、ということを少しは分かっておいてもいいだろう。
ユーザ側としてはPCの時代ももう少しで終わるのか、というところではあるが、
結局のところ端末がPCからほかの何かに変わったところで、コンピュータ技術の基礎的な部分が変わるわけではないので、
イメージをつかんでおいたほうが、新しい技術への理解も増すだろう。
【目次】
第1章 パソコンの中を見てみよう
第2章 プログラムをつくってみよう
第3章 OSの機能を確認してみよう
第4章 SQLでデータベースを操作してみよう
第5章 ネットワークツールを使ってみよう
第6章 2進数とアルゴリズムを手書きでおぼえよう
【概要】
第1章
- コンピュータの5大装置
- 入力装置
- 記憶装置
- 演算装置
- 出力装置
- 制御装置
- 入力装置
- PCと周辺装置をつなぐ規格をインタフェースという。現在はUSBで統一されているのが主流
- マザーボードには拡張ボードを装着するためのコネクタがあり、これを拡張スロットや外部バスという
- CPUにはデータを格納するためのレジスタがあり、レジスタを使って演算や制御を行う
- 1枚のメモリモジュール上に、複数のメモリICが装備されている(例;32MBのメモリIC 8個 = 256MB)
- 複数のインタフェースの機能が数個のデジタルICに集約されており、これをチップセットという
- Windowsではノースブリッジ、サウスブリッジの2種類のチップセットが使われる
ノースブリッジはメモリ・グラフィックス制御、サウスブリッジは拡張スロット、その他I/Oの制御
- ディスク装置とはIDEというインタフェースで接続されている、IDEはパラレル形式であるため、信号線が複数接続されている(対義語はシリアル形式)
- サーバマシンのCPUはデスクトップPCやノートPCよりもスペックが低い、これはサーバ上で動作させるソフトウェアには高度なゲームやグラフィックスのようなものが無いので、新しいCPUの機能を必要としないため
ただし、メモリとハードディスク容量は膨大
第3章
- CUIのシェルでは複数のコマンドを実行するバッチファイルを使える
- OSの中で、ハードウェアと入出力を行うプログラムをデバイスドライバという
- デバイスドライバの中で、デバイスとの入出力をファイルの読み書きと同様に行うものをデバイスファイルという(例:コマンドプロンプトにおけるCONファイル)
- OSとしてデータを保持するための仕組み
第4章
第5章
- MACアドレスは全体で48ビット、ネットワークカードに予め提供、上位24ビットはネットワークカードのメーカーを識別、下位24ビットは個々のネットワークカードの製品のシリアル番号
- IPアドレスの上位桁はネットワークアドレス、下位桁はホストアドレス
- ネットワークアドレスとホストアドレスを分けるにはサブネットマスクの情報が必要、サブネットマスクで1が並ぶところまでがネットワークアドレスの範囲で、0がホストアドレスの範囲
- DHCPサーバによって、IPアドレスとサブネットマスク、デフォルトゲートウェイ、DNSサーバのIPアドレスが自動設定される
- OSI参照モデルのレイヤーごとの役割
物理層:物理的にデータを送る通信媒体の取り決め
データリンク層:MACアドレスで通信機器を識別
ネットワーク層:IPアドレスで通信機器を識別
トランスポート層:データの分割や到達確認
セッション層:一連のやり取りに関する取り決め
プレゼンテーション層:文字コード、画像形式、圧縮形式等、データの表現
アプリケーション層:ユーザからみた使い方の取り決め
- Ethernetではデータのコリジョンが発生することから、ブリッジを使って、ネットワークをいくつかの部分に分割し、コリジョンドメインに分ける