図解主義!/アンドリュー.J.サター
弁護士である著者があらゆる種類の取引を正確に理解するための図解技術を紹介した本。
取引の性質を正確に理解することが、契約においてきわめて重要であるという前提に理解を深めるために図解を使う技術を示す。
まず、理解の段階について以下のように示されている。
- 案件の基本説明が理解できる
- その案件が、現実的に設定されたゴールを達成できるか、判断できる
- その案件が、ゴールはそのままに、もっとシンプルにできないか判断できる
- その案件そのものが、そもそも適切かつ正しいものなのか、判断できる
上記の段階を上げるために図解を使う。
使われる図解はシンプルで、基本は以下の3つ。
- 四角:行動の主体
- 矢印:やりとり
- 楕円:資産
これらを用いて、基本となる単純な買い物から複雑な取引までを示す。
この本において強調されている点は、ビジネス上のやりとりには必ずお互いに対価があるということ。
単純な買い物では、現金と商品のやりとりであるが、権利に関する取引では把握が難しくなる。
例として挙げられているのは株の取引。株を購入した場合には、以下の権利が付随する。
- 議決権
- 配当を受け取る権利
- 倒産した際に資産を受け取る権利
- 株を誰かに売る権利
こうした複数の権利が絡む場合に、取引の把握が困難になる。
しかし、取引においてはどちらかが必ず何か対価を支払い、何かしらの利益を得ているはずなので
何に対する対価であり、提供されているのはどのようなサービスなのか、に留意して図解をすれば理解ができる。
取引の種類を学び、図解で理解するということのスタートとしては勉強になるだろう。