理科系の作文技術/木下是雄
物理学者である著者が、他人に読んでもらうことを目的とした「仕事の文書」を対象に、
いかに読みやすく、わかりやすい文章を書くかを説いた本。
基本的なことという印象だが、当初意識していたことでも慣れによって忘れてしまうこともあるので、
ときには基礎に戻って読み直すのも良い。
論理の組立てを相手に伝えるために重要なのはパラグラフ間をつなぐ、接続詞・句だというのがポイント野用に思う。
実際に目にする文章でもそこが曖昧なことによってわかりづらくなっているものが大量にある。
自分自身注意が必要だ。
【目次】
1 序章
2 準備作業(立案)
3 文章の組立て
4 パラグラフ
5 文の構造と文章の流れ
6 はっきり言い切る姿勢
7 事実と意見
8 わかりやすく簡潔な表現
9 執筆メモ
10 手紙・説明書・原著論文
11 学会講演の要領
【抜粋】
1 序章
明快な文書を書く要件は以下の点。
- 論理の流れがはっきりしていること
- 文と文の結びつきが明瞭なこと
- 一義的に読めること
- はっきり言えることは明言すること
- 普通の用語、日常用語を使うこと
- 英文m語はだいたい日本語2.5m文字分にあたる。
- 概観から細部の順序で記載する。細部を記載する際には、機能別、性質別といった分類を行って記載順序を決める。
- 論理展開の順序パターンには以下のものがある。
- 従来の説、反対の説の欠点を指摘してから自説を主張する。またはその逆。
- いくつかの事例をあげて、それによって主張したい結論を導く。またはその逆。
- 誰にでも受け入れられる論点からはじめ、クライマックスで最も言いたいことを伝える。
- 従来の説、反対の説の欠点を指摘してから自説を主張する。またはその逆。
- パラグラフの最初に、先行するパラグラフとの関係を示す文または句を入れることを忘れては行けない。
- 事実と区別すべき<意見>には以下の種類が挙げられる。
- 推論 ある前提に基づく推理の結論
- 判断 ものごとのあり方、内容、価値などを見極めてまとめた考え
- 意見 推論や判断、その他一般の結論の総称
- 推論 ある前提に基づく推理の結論
わかりやすく簡潔な表現に必要な条件は以下の通り。
- 書きたいことを一つ一つ短い文にまとめる
- それらを論理的につなぐ(つなぎ言葉に注意)
- 文の中の主語を意識する