広報がダメだから社長が謝罪会見をする!/城島明彦

広報関連の調べものということで読んでみた、広報の失敗事例の研究。
プレスリリースの打ち方やマスコミとのつき合い方といった実用的な記載が多いか。

不祥事を起こした企業が立ち直ってきた/立ち直れなかった事例を示している。
不祥事が起きていきなり広報が対応できるものではなく、日ごろからの準備が必要だとされる。

当然といえば当然のことだが、リスク管理、といったときに広報まで含めて考えておくというのは
意外と忘れるものかもしれない。


【目次】
第1章 広報の仕事とは何か
第2章 女性が活躍する広報の現場
第3章 広報活動の理論と現実
第4章 東京電力の広報の失態を他企業は笑えるのか
第5章 広報戦略を誤ると致命傷を負う
第6章 不祥事を糧にした企業・できなかった企業


【抜粋】
第1章

  • マスコミへの情報発信では、?量、?(テーマの)統一性、?継続性の3つを常に意識して発言する
  • 孫子は「攻撃は最大の防御」といったが、それは「守りを固めてから攻めよ」という意味である。守りをおろそかにする企業は、攻められると大混乱を引き起こす。

第3章

  • プレスリリースを発表する時間は、いつでも自由というわけではない午前9時から午後3時までは株式市場が開かれており、その時間内は避けたほうが無難だ。売買が停止される恐れがある。

第5章

  • 「広報のための広報」のようなことをいくらやっても、効果は期待できない。

第6章

  • トヨタの考え方をグローバルに理解してもらうための企画・広報手段を立案する「BRコミュニケーション改善室」を公聴会直後に新設し、渉外・広報本部に属する広報部とは別の「社長直轄の独立した組織」とした。
  • どんな事件も月日が経てば次第に人びとの脳裏から消え去るが、テレビでお詫びのCMを流せばまた思い出し、企業イメージにプラスに働くことは決して有り得ない。それでもCMを流し続けるパナソニックの愚直なまでの企業姿勢を評価する人は多い。